実地を踏む。これにまさるものはない。

沖縄戦、その始まりから終わりまでを見るツアー

旅から戻ってはや2か月半。コロナショックのさなか、期するところもあって、連日のように琉球・沖縄関連の文献を読みあさっています。
日本に生まれ、育ち、生活をいとなむ者が、とりわけ、歴史に関心を持ちつづける者が、琉球・沖縄を避けてとおることはできない。
そうは観念しながらも、琉球・沖縄は遠く、近寄り難く、歳月をおくほどに越えるべきハードルは高くなるばかり。
いまや年齢も喰ってしまったことだし、このまま逃げをきめこむこともアリかな……と思いはじめていた矢先、同窓の先輩方が旅に誘ってくださった。
思いきって出かけて、2日間の歴史ツアーを体験し、恩恵の大きさをしみじみ噛みしめています。ありがとうございました。
実地を踏むこと。まさしく、これにまさるものはない。
たとえば、米軍上陸直後に、読谷の住民たちがチビチリガマでこうむった惨禍と犠牲。帰阪後、わずかに数冊の本を読むにつけても、その場を訪ねたときのことが、つたない想像力や思考の力を助けてくれます。
嘉数台地や前田高地から眺めた、かつての激戦地。逃げまどう住民もろとも、あらゆるものを劫火にさらした島尻の平野の光景。日本軍の地下陣地となり倉庫となり、病院となって屍を山と積んだアブチラガマ……。
本来なら、しっかり予習をしていくのがいいにきまっていますが、逆もまたアリ。
「百聞は一見に如かず」の逆です。「一見は寡聞を何倍にも深くする」とでもいったらいいでしょうか。
めぐりあいの可能性を、あきらめないでよかった!
とはいいながら、読めば読むほど、知れば知るほど、いっそう琉球・沖縄は遠のいてゆく。それがいまの実感です。
け、れ、ど、あきらめません。コロナの障りがおさまればまた、きっと出かけて参ります。
(O.S.様 大阪市 女性)