沖縄について多くの誤解をしている

沖縄戦、その始まりから終わりまでを見るツアー

自らの無知と痛感し、さらなる学びの意欲を掻き立てられる2日間でした。私は現在、大学4年生、来年度から新聞記者として働くことになっています。新聞紙面では沖縄基地問題が日々掲載され自らの関心が高まり沖縄に行きたいという思いが強まる一方で、沖縄の行くとしても考えられるのは平和祈念公園やひめゆりの塔、基地など、はたしてそれで沖縄のことが分かるのか疑問を感じていました。そんな悶々とした中で、偶然にネット上で見つけたのが下地さんのツアーでした。ツアーでは2日間を通して、米軍が上陸した北谷町から日本軍の防衛線、司令部のあった首里城、最後の摩文仁など沖縄戦の時系列に沿ってその現場をたどっていくので、迫りくる米軍に対する日本軍の焦りや民間人の震えが伝わってきました。特に下地さんは多くのパネルを使い、軍の情勢図や戦闘当時の写真を見せてくれました。写真の中の銃を持った米兵の横にあるシーサーが、今・ここに私の隣に立っているこのシーサーだと分かった時はタイムスリップしたように、約70年の時を超えて沖縄戦が肌に伝わるように追体験ができました。
加えて、説明を聞く中で沖縄について多くの誤解をしていることが分かりました。例えば、私は沖縄についてわずかには勉強していったつもりでしたが、沖縄戦において沖縄の民間人は米軍に多く殺されてしまったというような先入観をもっておりました。しかし、米軍は民間人の保護にも重きを置いていたと知りました。日本軍は民間人に「天皇にために死ぬことは正しいこと」といった皇民化教育や「米軍の捕虜になるのは恥」といった戦陣訓のために、沖縄の方が亡くなっていったことをはじめて知りました。また、日本軍が元は首里城が陥落したら沖縄戦の終了と決めていたにも関わらず、南部に撤退したことから、当時南部に避難していた多くの民間人が犠牲になったことも知りました。下地さんの祖父様が摩文仁で語った「日本軍に騙された」という言葉は、沖縄の人が感じる日本に対する思い、抑圧されてきた歴史を痛感し、今の基地問題にもつながるように感じました。下地さんのご両親やご祖父母が沖縄戦を経験しており、また下地さん自身のお話しを聞く中で沖縄の方の気持ちが少しは垣間見えるように感じました。
最後に今回のツアーは五感を使うものであったように感じます。沖縄の方が逃げたガマの中の臭いやムンムンと感じる湿気、その場に行くことでしか分からない多くの経験ができました。2日間もみっちりと沖縄戦をたどることができました。沖縄の戦場のポイントは何も知らない私にとっては見つけることは困難で、このツアーがなければ決してたどり着けなかったと思います。このツアーは私の人生において重要な位置を占めることになると思います。下地さんには2日間、かなりお疲れになったと思いますが、それでも大変丁寧に熱く語ってくれました。本当にありがとうございました。
また、沖縄に行く機会がありましたら、よろしくお願い致します。
(K.様 神奈川県 男性)