人間としての成長を促せるもの

沖縄戦、その始まりから終わりまでを見るツアー

アメリカ軍の沖縄進行がどのような戦略・戦術のもとになされたのか,これに対して旧日本軍がどのような戦略・戦術でこれを向かい打ち国体を維持しようとしたのか,実際の上陸地点や防衛ラインをめぐりながら,肌で感じることができました。シュガーローフヒルなど一部地形が大幅に変化しているところもありましたが,やはり実際に現場に立つと写真等では伝わらない空気のようなものがあり,これを順を追って巡ることは大変意義深いものでした。武器も食料も医療品もすべて圧倒的に不足している中,必死の防衛と最後の突撃を敢行した日本人が数万人単位でいたことに改めて深い感銘を受けました。
また嘉手納基地や普天間基地など現在でもアメリカ軍の基地がその進行の歴史をなぞるように多数点在していますが,先の大戦の歴史的な評価と,今日の国際情勢の中での日本とアメリカの関係を考える上でもきわめて有意義な時間を過ごすことができました。
沖縄の住民の方々が村ごと避難したガマの跡なども巡らしていただきましたが,当時の沖縄の方々の犠牲がいかに大きなものであったか,戦争がいかに集団的な狂気を生むものであるか,現在もアメリカの基地が生活地近隣に偏在していることに沖縄の方々がどのような思いを抱いているのか,などなどいろいろな視点から改めて考える機会を得ることもできました。
国際社会の中での日本の立ち位置など,日本全体のことばかり抽象的に考えすぎると,とかく現場に対しての想像力に欠けがちですが,このようなツアーに参加することは他人の感じている思いへの想像力や共感力を高め,人間としての成長を促せるものではないでしょうか。友人知人等にも推奨したいと思います。
このようなツアーをほぼボランティアで継続されている下地さんに感謝いたします。ありがとうございました。
(N.様 東京都 男性)