地獄のように悲惨な状況も目前にはっきりとみえるよう

沖縄戦、その始まりから終わりまでを見るツアー

実際に戦闘の行われた場所で、地形や陣地の位置を説明していただくと、両軍の作戦の巧みさが理解でき、激しい戦闘が目前で行われているような感覚を覚えました。戦国時代の合戦の説明をきくようで、とても楽しく興味深かったです。
しかし、戦争に巻きこまれる沖縄の住人の地獄のように悲惨な状況も目前にはっきりとみえるようで、とても悲しく、苦しい思いがしました。特に集団自決や鉄血勤皇隊などは幼いこどもやあどけない少年が犠牲になりました。つらいことです。大人として、こども達に犠牲を強いるような社会や国にならないよう、努力してゆきたいと思います。
私は沖縄県人ですが、沖縄戦のことは断片的な知識のみで、何もわかっていませんでした。また、琉球王朝終焉後の皇民化教育は当時の沖縄の人々の行動に影響しましたが、それは私のアイデンティティーにも強く影響しているとはじめて気づきました。歴史学は現実的な学問だと実感し、感動しました。
各地の資料館で、沖縄戦の記録の保全や情報開示、美しい芸術作品で平和を訴える方々の仕事を拝見させていただきました。多くの内地の方々が、沖縄の痛みを共感し優れた仕事をされていることを知り、とてもありがたく思いました。
沖縄本島南部出身の母(沖縄戦時は5才)とツアーに参加しましたが、戦跡をめぐりながら母から、沖縄戦が始まり歩いて本島北部のガマに避難したこと、鉄血勤皇隊として亡くなった母の2人の叔父さんの思い出など、今まできいたことのない話もきけました。母は「思い出すのはつらい」といっていましたが、私には大変貴重な体験になりました。
自分ではたどりつけないような、場所のわかりにくい戦跡も多く、2日間で効率よく案内していただきました。楽しいツアーをありがとうございました。忘れられない小旅行になりました。
(S様 沖縄県)